市民の安全確保と、こころの健康を充実させよう

 令和6年度の府中市議会第4回定例会は、11月29日から12月19日までの16日間行われ、活発な議論が交わされました。

 今回、私が行なった一般質問は2件でした。

 一つ目は、「地中と地上の安全を確保しよう~相次ぐ事故から考える~」と題して、市内の道路や公園など公共空間での事故を取り上げて、議論してまいりました。具体的には、昨年9月に隣の日野市で起きた倒木による市民の死亡事故や、10月には町田市で住宅の庭から、水と気泡が湧き出る事象が発生しました。どちらも住民の不安を強めるもので、丁寧な調査と対応が求められています。

 しかし、樹木や地中工事などのトラブルは、全国各地で起きています。事故が起きてしまった時の対応と合わせて、危険箇所を事前に洗い出し、トラブルを未然に防ぐ対策を立てておくことも重要です。今回は、地中と地上の安全を確保するため、市がどのような対策を進めているのかを議論しました。

 また、前回の一般質問では、市内の無電柱化を取り上げ、困難や問題点を洗い出し、市で現在進めていることなどについてもお尋ねしました。答弁の中で、本年5月に設置された「都・区市町村無電柱化検討会議」について触れられていましたが、本日までに第2回以降の会議が行われたのか、また、具体的にどのような議論が行われ、市としてどのような行動を起こしているのかも合わせて、一問一答式で質問しました。

 2つ目は、「『精神障がい者福祉』と『こころの健康』の連携による福祉施策の充実を目指そう」と題して、行政との議論を行いました。これは、日頃の活動でもある市民生活相談から寄せられる相談内容や、府中梅の木会(府中市精神障がい者家族会)での活動から、より一層のメンタルヘルスの充実が求められていると感じたので、取り上げました。

 これをきっかけに、今の状況を調べてみた所、府中市内では精神障害者保健福祉手帳を所持する方々の数が、近年大幅に増えていました。8年前の平成28年は1774人でしたが、令和5年は3175人となり、1401人増加しました。

 精神障がいは多岐にわたります。厚生労働省によると、代表的な症状は、統合失調症や気分障害、てんかん、依存症、高次脳機能機能障害などがあります。また、日本精神神経学会によれば、心の病気として、21種もの症例をあげております。こうした症状を持った方々は今までも社会全般的に見受けられましたが、現在は様々な医学的研究が進み、症状名も増えてきました。

 府中市では、2022年11月29日に「府中市精神障害にも対応した地域包括ケアシステム連絡会議」が立ち上がり、府中梅の木会からも役員を選出して連絡会の会議に参加しております。しかしながら、立ち上げから2年が経過していますが、なかなか遅々として具体的な施策の展開が進んでいないのが実情です。

 府中梅の木会では毎年、府中市の障者福祉課に対して要望活動を行ってきましたが、この活動をさらに前進させるため、府中市長との面談を申し入れ、2024年11月11日(月)に高野律雄府中市長との直接対談を行ないました。数ある要望事項の中でも、特に強く要望した内容は、府中市としてメンタルヘルスを支える専門的機能の充実と、府中市内で誰でも会員になれる唯一の家族会である府中梅の木会の活動場所の確保についてでした。

 お隣の調布市では、「こころの健康支援センター」が設置されており、2007年に元保健所の建物を改修して、調布市が独自に設置した精神保健福祉事業があります。ここでは、こころの病、精神障がいや発達障がいのある方の自立と社会参加及び市民のこころの健康づくりを支援する事を目的としています。また調布市の精神障がい者家族会「かささぎ会」も、この施設を拠点に活発な活動をされていると伺いました。

 府中市では現在、公共施設再編検討委員会が設置され、府中市保健センター、中央文化センター、ふれあい会館の統合と複合施設の設置を検討しており、その中に上記の機能を含めた施設の設置を是非とも検討していただきたい旨の声をあげてきました。