市民フォーラムが担った特別な役職
私、稲津けんごは、昨年の5月から市議会総務常任委員会委員長と予決算特別委員会委員長を務めました。
この一年は、ある意味で特別な経験をさせていただきました。というのも、総務常任委員会委員長というポストは、これまで市政会(自民)が頑なに他の会派に譲る事がなかったからです。しかし、昨年の5月に議会人事で様々な検討を行った結果、第2会派の市民フォーラムがその役職を担う事となり、僭越ながら私が務めさせていただきました。
総務常任委員会は、府中市行政の政策経営部、総務管理部、ボートレース企業局、会計課、防災対策本部、選挙管理委員会及び監査委員の所管に属する事項並びに他の常任委員会の所管に属しない事項等、府中市政の中枢の部分を決定する大変重要な委員会です。
特に、予決算特別委員会は、当初予算や補正予算、決算について、全議員が話し合う委員会であり、各議員が持つ知識と経験、政策について様々な質問や意見が交わされ、行政に反映させる機会であり、シナリオのない激論を交わす議会の華とも言えます。その分、参加する議員は事前の調査や市民の声、国や都、近隣他市の状況を踏まえて、行政側と質疑応答を行うので、相当なエネルギーを注ぎます。
私は委員長として議事進行を進める立場から、限られた時間の中で質疑する議員のポイントと行政側の答弁とのがズレがないかを、一つ一つチェックする事に最大限の注意を払い、より市議会の役割と重みを増すよう、取り組んで参りました。同時に、私は労働環境を向上させる役割もあり、市職員の議会に対する負担も考慮し、各議員の時間配分には相当気を使いました。審議時間に不満を持つ議員もいるかもしれませんが、出来る限り予決算委員会を通じて各議員が果たすべき責務を全うできる環境づくりに努めてきたつもりです。
また、総務委員会の委員長は、府中市が施行している平和島競艇の運営を府中市ボートレース企業局が担っている関係から、全国競艇主催地議会協議会や関東地区競艇主催地協議会へ議長とともに参加し、他の自治体議員とも協力・連携してモーターボート競走法の制度及び運営に関する調査研究や、制度の改善及び運営の是正についての請願、陳情等に取り組んで参りました。
なぜ競走事業が府中市政にとって重要であるかというと、そこから出てくる収益が府中市の財政を支え、市民サービスの向上につなげる大きな役割があるからです。毎年、年度途中で補正予算が組まれますが、収益の主な部分は、府中市の今後の大きなプロジェクトに必要な財源となる基金の積み立てや、インフラ整備等に回る事が多いため、その結果財政的な豊かさを維持することができる訳です。例えば、昨年から府中市内の小中学校の給食費無償化が実現できたのも、こうした競走事業による収益があった結果であると言えます。
このように、市議会の総務委員会委員長というポジションは、府中市議会のみならず市政全般にわたって大変重みのある仕事であり、この1年間を振り返ってみて、貴重な経験をさせていただいた年であったと強く感じました。
なかなか、一般市民の皆さんには見えない議会活動の部分ですが、ぜひとも皆様にも注目していただきたい仕事です。昨年は、子ども議会が開催され、未来の有権者に議員の仕事の一部を体験させることができました。とはいえ、本職の市議会議員によるリアルな議論のやり取り、特に予決算の審議は、シナリオのない白熱した議論となるので、市民の皆様にも、ご覧いただきたいと思います。
皆さんが投票した市議会議員が、議会活動でどんな事をやっているかをチェックしていただきたいですね。ぜひとも、ご来場ください。