日本一のスピード!? 東京都府中市の開票作業の秘密に迫る

一昨日(2017年7月2日)に投開票となった東京都議会議員選挙。投票率は東京都全体で51.28%、府中市内では50.72%となりました。前回選挙はどちらも40%台でしたので、大幅増加と言って良いでしょう。

投票する方があるということは、開票する方もあるということ。実はここ東京都府中市は「開票作業がとにかく速い」ことで知られています。「日本一では?」という声も聞かれるほどです。

今回の都議選で、府中市選挙区では定数2に対して4名の立候補がありました。実際に投票した方は期日前投票を含めて106,234名だったそうです。さて、その開票作業はどれくらいの時間で終了したと思いますか?

開票作業は21時にスタート。作業が進み、いよいよ発表です。


何と57分で終了したのです。当然のこと、翌日のどの新聞朝刊にも「確定結果」として掲載されました。投票率が伸びたにもかかわらず、1時間を切ったというのには驚きました。

過去の選挙でも、2016年の府中市長選(2名が立候補)では40分足らずで終了。2015年の府中市議選(定員30名に対し38名が立候補)でも2時間強で終了し、日付をまたぐことはありませんでした。

このスピーディーな作業には、様々な秘密(と言うより工夫)があるのです。

まず、開票作業にあたる職員は全員立って作業をします。事前に決められた持ち場で作業をしますが、早く作業が終われば別のグループを手伝ったり、使わない机や小物を片付けたりします。

そのため、開票結果を発表する時点で会場となる体育館には机や小物が無い状態になっているのです。「出来る人がやる」「手が空いた人がやる」を上手く進めているのですね。

次に、投票用紙の自動計数機を導入していることが挙げられます。今では全国でも見られますが、この走りは府中市でした。

ここ府中市は平和島競艇場を所有しており、試験的にそこで用いられていた計数機を採用したのが始まりとも言われています。競艇場のノウハウはこんなところにも役立っているのですね。

更に、早い段階から折りたたんでもパッと開く投票用紙を採用したり、仕分け用のトレイを用意したりするなど、細かい点でも作業の効率化を図っています。机の配置にもこだわりがあるのだとか。

これらの工夫により、「とにかく速い」「日本一の」開票作業が成り立っているのです。ただ速さを生み出すだけでなく、正確さも伴ったものとなっています。

そんなこともあり、他の自治体から開票作業に関する視察を受けることもあるそうです。人口や選挙の規模もあるので、必ずそのスピードで出来るとは限りませんが、注目し参考にしていただけるのはありがたいことです。

「とにかく速い開票作業」は東京都府中市の自慢でもあります。それを実現している職員の皆様に感謝したいです。