議員が提出した修正案1

昨日2月27日に行なわれた市議会の建設環境委員会で、杉村康之委員と私は府中市議会会議規則第63条の規定により市長提案の修正案を提出しました。

案件名は「第18号議案 府中市立府中の森市民聖苑条例の一部を改正する条例に対する修正案」。

原案は、府中市の斎場である市民聖苑の地下駐車場の使用料金体系を受益者負担の原則から、これまで「1回100円」を「1時間100円、上限300円」に適正化する。ただし、修正案は「30分に満たない時の使用料は無料とし、使用者(喪主)は無料とする」という文言を使用料の表の下に備考として加えるという内容でした。

この件については、実は2月8日に行なわれた建設環境委員協議会でも市側から事前に説明がありました。その時の各委員からは上記のように「喪主が式場費も負担してるのに駐車場代までも負担するのか?」「事務手続き等で短時間での利用する人にも負担させるのか?」といった反応や意見が出され、これらの意見を踏まえて「聞きおく」事とされました。

しかし、市議会の開会前に渡された議案を見ると、協議会で出された意見や要望は全く反映されていない条例案が出され、正直なところ驚きました。そこで、同じ委員会の杉村委員と話をし、議案に対する修正案を検討しようという事で、杉村委員が修正案の作成と他会派の呼びかけも行なっていました。2月26日まで、働きかけていましたが、その過程では、いろいろとあったようです。詳しくは杉村康之さんのブログをご紹介しますので、ご覧ください。

建設環境委員会の様子ですが、行政側から原案に対する説明を行った後、杉村委員から修正案の提案説明を行いました。その後、各委員から行政側と提案説明を行った杉村委員に質疑応答がありましたが、やはり委員協議会で出された意見がどのように行政側で検討されたのか、原案が議会に提出されるまでの経緯が明確に答弁されないままでした。

私は「本来、協議会で事前に議会へ案件を諮るということは、行政が議決権を持つ議会に一定の『お伺い』だと思うが、本当にそう考えるならば、協議会の後でも正副委員長に検討したことを報告なり相談するのが本来あるべきだと思う。そういうこともなく、ただ協議会で議会に報告すればいいという慣習になってきている。本当に行政が議会と『車の両輪』と捉えるならば、こうしたことにはならなかったはず。原案の考え方は一定の理解をしているが、協議会で出た意見を反映させる姿勢がみられない。是非とも、委員の皆さんには、この修正案に賛成して頂きたい」と述べました。

しかしながら、各委員の方々からは、それぞれ会派の立場などもあるのか、この修正案に対して反対の意見を述べ、採決を取って賛成少数で否決されました。

修正案の文言で技術的な部分は、議会事務局庶務課調査係を通じて行なってきており、不自然な内容のものではないが、利用料金に関する免除は条例の中ではなく「規程」に記載すれば、運用上は問題ないという意見もありました。しかし他の公共施設の条例(例えば生涯学習センター条例)を見ても、しっかりと条例の中に免除が同様に盛り込まれており、ましてや規程に関する権限は議会にはない事は当然知っているはずです。この部分を行政任せにするのは、議会の権能の放棄にも近いと思っています。

今回の修正案で、ひとつメリットがあったのは議員間討議があったことです。
これまで行政側から出された案件を◯か✕かだけでそれぞれ意見を述べて採決する事が多かったのですが、今後の議会の姿として、一つのステップになると思いました。

すでに活発な議員間討議を行なっている市議会もあると思いますが、府中市議会はまだまだこれからです。