市民協働としての市議会が問われる

第2回市議会定例会が本日をもって終了しました。
今回も様々な議案が審議されました。
一つ注目したいのは、陳情4号「バスターミナル駅高架下横断歩道の設置について」における市議会としての対応です。
陳情人として6月18日(月)の委員会に出席されたのは(株)大内商事専務の横山芳光さん。(株)大内商事は地元で府中市政に大変影響力のある企業でもあります。

建設環境委員会で審議された同陳情は、最終的に市政会、市民フォーラム、公明党、共産党が継続を主張しました。生活者ネットワークは当該委員会の副委員長を務めていたため発言はありませんでしたが、陳情に対して特段質疑や意見もなく、継続には反対しませんでした。
継続の主な理由は、市役所から警察署へ協議と検討をお願いしている中であり、その働きかけを注視して見守るという立場で継続し、次回の9月議会まで引き続き様子を見るということです。

今回の陳情人から出された案件は、非常に与党としても反対しづらい状況にあると見ています。
本陳情審議にはむさし府中商工会議所の会頭も傍聴に来ていました。保守系や公明党議員にとっては、普段から顔を合わせたり、お世話になったりしている団体や関係者も多く関わっています。しかし警察機関からは横断歩道を設置するのは交通安全上、事故が発生しかねないという判断から、横断歩道の設置は出来ないという行政側の考えも理解できると言ったところでしょうか。市役所も見解として横断歩道の設置は非常に「難しい」との答弁でした。

確かに、今の府中駅の地上ロータリーが完成して以来、これまであった横断歩道が撤去され、不便さを感じる市民も多くいることは間違いありません。また陳情人からは、府中駅ロータリー完成後、横断歩道が撤去され以来、店の売上が-30%となった方もいるとのことで、商売をしている方々にとって、たいへん深刻な問題です。

そうした中、本日の本会議では杉村康之議員から発言があり、こうした市民からの政策提案を行政任せではなく市議会として要望書や条例制定等出来ることを9月までの継続中に委員会で検討するよう要望を述べました。

私からは「府中駅バスロータリーの件では、再開発対策特別委員会でも審議されてきた経緯があるが、いくら事前に人の流れや安全対策について話し合いながら計画をつくったとしても、実際に出来上がってみて気付く点や課題なども出てくることはあると思う。今までの話し合いで決まったからと言って、こだわってはいけないと思うので、今後現在の状況を議会として、しっかりと調査していくよう当該委員会にも要望し、継続を表明します」と述べました。

今回の陳情は、ある意味で市民からの「政策提案」です。単なる市政への苦情や問題の指摘ではない内容でしたので、市議会として市民協働を如何に進めていくかの試金石にもなります。私から具体的にどう進めるかについての提案は、例えば委員会で公聴会を開催するか、もしくは仮称で「府中駅周辺整備検討協議会」などを設け、陳情人や府中駅利用者、バス・タクシー等交通事業関係者、市役所、警視庁、市議会議員を交えて検討していくことも一つあると思います。草の根で政策をつくりあげることは時間やコストもかかりますが、合意形成をしっかりと行なう事、また杉村議員が述べたように、市議会としてできる事を検討する事も重要です。府中市は「市民協働」を掲げていますが、市議会としても市民協働を実践していくよう取り組んで参ります。

次回の第3回市議会定例会は8月31日(金)から9月28日までを予定しています。
正式な日程は8月30日(木)9:30の議会運営委員会で決定します。