世界の反戦の想い、プーチンに届け

 2022年2月24日に始まったロシアによるウクライナへの攻撃は、大変な衝撃を世界に与え、民間の一般市民をも巻き込む事態になってしまいました。

 今の時代に、ヨーロッパのど真ん中で戦争が起こるとは、予想もしていませんでした。米ソの冷戦が終わり、ソ連崩壊後はロシアとして新たな政治を世界の中で歩んでいくとは思っていましたが、覇権政治が未だに影響を及ぼしている現状に愕然としています。

 ロシアにとって、本当の意味での民主化がどこまで進んだのか、甚だ疑問に感じます。今回のウクライナ侵攻に至ったのは、ロシアが抱える政治・社会・経済の問題も関係しているのではないかと考えます。勿論、広い国土を抱えるロシアは、多様な民族や文化が存在し、それらを一つにまとめ上げることは容易なことではありません。

 多様な民族と文化をまとめ上げ、国民生活の向上を遂げるには、政治的に強いリーダーシップが必要なのかもしれません。そういう意味では、ウラジーミル・プーチンは強い指導力を発揮し、ここまでロシアを導いてきたと思います。

 しかし、ウラジーミル・プーチンが1999年から現在まで20年以上もの長年に渡り君臨しているロシアの政治体制は、民主主義国家であるかといえば、疑問が出てきます。本来であれば、ロシア大統領任期は2期8年であったが、2008年に国民投票を経て1期6年に延長し、さらに2021年4月には、さらにあと2回再選に立候補できるように変更した事を考えると、ウラジーミル・プーチンに対して反対の意見を言える環境は、殆どないと言えるでしょう。

 ソ連崩壊後「強いロシア」を掲げ、政治的経済的な優位性を保持し、ロシア国民の生活の向上と自信を取り戻すために、懸命に取り組んでいる事は理解したいと思います。しかし、今回のウクライナへの攻撃は、平和と人権を守るとは言えず、ウラジーミル・プーチンの妄想によって、罪もないウクライナ人やロシア人でさえも、巻き込まれている結果となり、逆に社会的不安を煽り、ウクライナとロシアの分断を助長します。

 ウクライナにはロシア人もいます。またロシアにもウクライナ人はいます。またロシアでもロシア人による反戦デモが行われました。日本でも在日のウクライナ人、ロシア人からも、反戦の声が大きく叫ばれています。この世の中から、戦争を永遠に無くしたいと願う世界中の市民の反戦への想いが、ウラジーミル・プーチンに届くことを願うばかりです。

 プーチン大統領、是非ともウクライナでの軍事行動をやめてください。