府中市公契約条例(Public Contract Ordinance)を実現!

 

 府中市議会は今年の3月5日(木)に開催された本会議にて「府中市公契約条例」を全会一致で可決した。私が所属する市民フォーラムは、公契約条例の制定を2008年から毎年予算要望し、18年間の月日を経てようやく実現を果たした。

 公契約条例とは、自治体が発注する工事やサービス(公契約)の受注企業に対し、適正な労働条件(賃金下限など)を義務付ける条例。米国の「デイビス・ベーコン法(1931年制定)」がモデルであり、公共事業の下請け労働者の賃金低下(ワーキングプア化)を防ぎ、地域経済の活性化と労働者の権利を守る事を目的としている。

 建設ユニオン東多摩支部がこれまでも強力に推進してきた府中市公契約条例は、ついに令和8年3月5日(木)府中市議会本会議で可決した。当日は本会議場で総務委員長から2月20日に開催された委員会審議の内容と結果の報告があった。それを受けて議長から市議会議員全員に対して、採決を図ったところ反対した議員はなく、大変速やかに府中市公契約条例案が可決された。

 先の2月20日(金)に行なわれた府中市議会総務委員会では、市長提出議案である「府中市公契約条例」が委員長を除く6名が可決すべきものと決定した。委員会では、4名の委員から質疑があった。本条例案の特徴は理念条例ではなく、ILO94条の趣旨にのっとった賃金条項型の条例となっている。また、府中市では労働者側2名と事業主側2名、そして有識者(弁護士と社労士)も加わり、1年以上かけて6回にも及ぶ検討会の会合を経て、お互いに合意をした中で条例の内容を作り上げた点が最大の特徴。

 今回の条例案では、対象となる契約の範囲は1億円以上の案件となっているが、今後、労務単価下限額の基準を設定し、実際の調査を行った後、改めて公契約審議会を開き、条例施行後の課題や対象案件の範囲の見直しについて検討するとの答弁があった。

この条例の意義は、ダンピングされがちな賃金水準の確保と職場環境の改善によって、これからの社会インフラを支える土木建設業界等の人材を増やし、市民に満足される質の高い公共サービスを提供するための環境を整える事である。

 そのための担保として、元請業者に連帯責任を公契約の中に盛り込み、2次・3次・4次以下も含めた下請け業者で働く現場労働者の賃金が労務単価下限額以下であることが判明した場合、元請業者も責任を取るよう入札で落札した業者は行政と取り交わしを行う事としている。

 思い起こせば5年前の令和3年6月、府中市議会に建設ユニオン東多摩支部も加盟している連合三多摩東部第二地区協議会議長の長崎益治さんが、「府中市における公契約条例(仮称)の制定について」の陳情を提出したことから始まった。もちろん、その前から公契約条例を推進するための働きかけを独自に取り組んできていたが、連合や全建総連との連携を深めながら取り組んだ事が、今回の具体的な行動と運動に繋がったと言える。建設ユニオンはこれからも、公共工事の現場で働く労働者の賃金確保の実態調査等に注力し、技術と実績が適正な評価につながるよう、全力で取り組む。

 なお、本条例は令和8年3月17日から公布され、令和8年4月1日より施行。ただし、第6条から第13条までの規定(以下「特定公契約に係る規定」という。)は、令和9年4月1日から施行する。また経過措置として、特定公契約に係る規定は、令和9年4月1日以後に新たに締結する契約又は指定管理協定について適用する。

詳しくは、リンク先(府中市HP)、また公契約条例(法)については、全建総連HPを参照。

文責:稲津憲護