平成27年第4回定例会 一般質問 広報のあり方を問う -全戸配布を-

稲津氏は、保育所待機児童の対策に続いて「広報のあり方」についても一般質問を行った。

行政情報を発信する広報ふちゅうは現在、92770部発行しているが、府中市の全12万世帯の数にも達していない点を指摘した。

また、J-COMで放映されている「まるごと府中」に関しても、視覚障がい者に対する配慮について問題点を指摘。映像の中では手話による通訳が行われている。しかし、行政情報の案内で随所に「詳しくは『広報ふちゅう』をご覧ください」と述べているのに対し、その連絡先については全く触れられていないなど、視聴する市民に対して配慮が足りていない点を述べた。

視覚障害者に対する「まるごと府中」の対策については、市の答弁はなく、今後の市の姿勢については大きな問題が残る形となった。

「広報ふちゅう」の配布については現在、新聞折込や希望者への各戸配布、市内駅、コンビニのファミリーマートに置かれている。しかし新聞購読をしていない世帯が増え、自主的に広報ふちゅうを希望する市民が増える見通しもないのが現状。また地域によってはファミリーマートがない地区もあり、今後の行政情報の発信については、くまなく市民に行き渡らせる「全戸配布」が必要であると主張した。

市は「全戸配布による予算コストの増加が懸念される」との答弁があったが、稲津氏は「現在の月3回発行回数を月2回に減らしてでも、全戸配布することが必要」と訴えた。その根拠として、今年の市政世論調査結果から広報ふちゅうの発行頻度の設問があり、「月3回以上の発行を希望する」市民の数が37.6%となっているが、「月2回以下の発行でも良い」とする市民の数が全体の56.6%と半数以上が答えている点を取り上げた。

「協働のまちづくり」を推進していく府中市として、様々な行政や市政の情報をすべての市民に行き渡らせる姿勢があるかどうか、今後大きく問われるだろう。

稲津氏は、広報ふちゅうの全戸配布に向けて粘り強く市に働きかけ、「誰も見捨てない地域社会」を目指して今後も取り組んでいくと一般質問後の意気込みを述べた。