今国政では、「桜を観る会」をはじめ、未だに明らかにされていない「森友学園」「加計学園」問題やTPP交渉結果の全容等、安倍政権に対する批判が巻き起こっている。長期政権による馴れ合いによって、行政監視能力も低下してきていることは間違いない。

 しかし、こうした問題を解決するために政権交代が必要だと考えるにしても、 私達の生活や暮らしは 一体どうしたら良くなるのか、明確に政策を掲げる政治家や経済学者はなかなか見当たらない。

  そもそも、私たちの生活の中で、本当に良くなってきたという実感が湧かないのは、経済的な格差が解消されていないのが大きな要因ではないか。最新の平均所得額は551万円(2017年)となっているが、中央値で見ると423万円(2018年)となっている。実際の感覚では、423万円が妥当な年間所得額といえるのではないだろうか。

 株価は2万3000円台となっているが、私たちの暮らしと株価は連動しているとは思えない。2008年10月に記録した7162円と比べて約3倍の株価となっているが、 私たちの生活が3倍良くなったとは到底思えない。

  今年の10月1日から最低賃金が東京都で1,013円となり、ようやく1,000円を超えるレベルまで引き上げられた。しかし、これで本当に人として十分に暮らしていける賃金のレベルかというと疑問に思う。 というのも、仮に一日8時間、一週間で40時間、ひと月160時間働いてどれくらいになるかというと162,080円。これで、アパートに住み家賃や光熱水費、通信代、食費、年金、健康保険等を賄うとなると、ギリギリの金額である。

 日本国憲法第25条にある「 すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」事を前提に、人間的な生活を送る上で充実した余暇や時間を過ごすには、ある程度経済的な余裕も必要と考えると、月額24万円程度は必要である。 ひと月に必要な金額24万円を逆算してみると、時給は1,500円となる。それでも単純に年収で考えると288万円。今の日本の所得の中央値にもはるかに届かない金額である。

  私は一地方議員だが、市民生活の感覚は国政に携わる方々よりも身近に接している分、強く実感している。景気対策には根本的に物を買う意欲を示す需要を促すことが必要であるが、これまでの国政による景気対策は、一部の大企業が税制的にも財政的にも金融的にも優遇されてはいるものの、その恩恵は内部留保となって468兆円(2018年)に膨れ上がり、その分が全く一般市民の所得に反映されていない事が一番の問題であり、大企業と中小零細企業との格差も問題である。

  今の政府は、過度なマイナス金利を敷く金融政策や国債発行による財政出動での景気対策を施しているが、私から見れば表面的な対策であり、根本的な問題解決にはならないだけでなく、将来の子ども達にツケを残す最悪のシナリオに突き進んでいる。政府が今年10月に行なった消費税増税も需要を弱めている。低所得者や子育て世帯に対するプレミアム商品券は、最高でも5000円程度であり、消費税増税の穴埋めには全くならないのが、現状である。

 そもそも税制とは「所得の再分配」という機能がある。しかしながら、本当の意味での再分配機能が発揮されていないのが、今の税制の大きな問題でもある。所得の多い者から所得の少ない者へ。健全な社会を保つためには、所得の再分配機能を持つ公正な税制にしていかなければならない。

 需要を喚起し景気を良くするには、

①最低賃金を全国一律1500円程度に引き上げ
②所得税の累進課税の強化
③内部留保の課税対象
④年金や健康保険、介護保険などの社会保障の内容を変えずに負担を軽減する事

上記の施策によって、一人ひとりの経済的な余裕を生み出し、モノやサービスを買う需要を増やしていく。これが本当に意味での「景気の底上げ」だと考える。
 これを読んでいただいた方々には、より良い政策が有ると思うが、格差の是正による景気対策の提言を是非とも打ち出していく事を強く望む。

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