コロナ禍での憲法を考える
今年の5月3日は特別な意味があります。
新型コロナウイルス感染症により、私たち一人一人の暮らしや生活に大きな影響を及ぼしています。
感染症拡大防止のために、様々な活動が抑制しなければならない事は理解します。
同時に、国民の自由の権利が、逆に感染症を広げてしまっているという感覚は憂う事でもあります。
しかし、ここにきて「非常時」という名のもと、世論の中で「緊急事態条項」を憲法に盛り込むことによって、国民の自由を縛り、感染症拡大を抑え込むと考えるのは、軽慮浅謀であると思います。
過去にドイツがナチス政権によって経験した「大統領令」と「全権委任法」は、人類史上最悪の社会的な排他主義と差別、独裁政治を可能にし、世界大戦へと導いてしまいました。
仮に、感染症拡大防止のために「緊急事態条項」を憲法に盛り込んだ場合、私たちの生活に様々な制限が何の補償もなく課せられる事も可能にしてしまいます。
私たちが直面する新型コロナウイルス感染症問題には、法律で十分に対策を進めていく事ができます。罰則付きの外出禁止が必要であれば、そうした法律を制定すれば良いのではないでしょうか。
「非常時」という言葉で政治を一極集中させ、様々な声を反映させる議論の場を葬り去ることは非常に危険であります。弱い声、小さな声、遠い声が届かない政治に向かわせる流れを何としても阻止し、日本国憲法が掲げる理念を実践するよう、これからも声を出し続けて参ります。