政府に情報提供と意見聴取を求める意見書が可決

 3月22日行われた府中市議会本会議で「「土地利用規制法」の施行に先立ち、丁寧な情報提供と意見聴取を求める意見書」を議員提出議案として提案し、賛成多数で可決されました。

 これは、昨年の6月に国会で可決された「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律」(略称「土地利用規制法」)に対し、府中市議会として、自治体の意思をしっかりと政府に示す事が大変重要であると考え、提案したものです。

 この議員提出議案は、市民フォーラムの代表を務める西宮幸一氏が提案者となり、本会議場でも補足説明を行ないました。

 航空自衛隊府中基地を抱える府中市は、隣接する基地跡地や住民も多く、この土地利用規制法の法的効力が及ぼす影響が非常に大きい事が予想されます。

 個人的には勿論、土地利用規制法自体は賛同しませんが、国会で成立してしまっている以上、それを前提に、市議会として政府に何が出来るかを検討し、ようやく意見書という形でまとめ上げられたものでした。

 当然、国と自治体の対等な関係を前提に、何らかのやり取りをしなければならないのですが、政府からは府中市に対し、なんの情報提供もなく、土地利用規制法が制定され、現在に至っています。

 とりわけ、約17ヘクタールの基地跡地留保地の利用検討を進めている府中市としては、この規制法によって円滑なまちづくりの推進が進まなくなる事が大きな懸念であるのは明らかであり、同時に航空自衛隊府中基地の周辺住民も大変多い事から、この意見書を政府へ提出する意義は大いにあると思います。

 しかしながら、3月22日の本会議で反対の意思表示をした共産党からは「土地利用規制法」自体に異を唱えるので、規制法を前提とした意見書に反対するとの発言や、自民党からは、法案の付帯決議の中にすでに当該区域に属する地方公共団体の意見を聴取することとなっているので、敢えて意見書を提出する必要はないとの理由で反対しました。生活者ネットからは発言が無く、理由もないまま反対しました。

 反対する議員の意思は、いろいろと検討した結果であるとは思いますが、上記の理由でのみ反対したのであれば、本当に府中市の住民自治や議会人としての役割を全うしているとは思えません。

 土地利用規制法に反対していても、現に法律が成立しているのであれば、それを前提に何ができるのかを考えて行動すべきであると考えます。代替案を持って反対するのであれば、一定の理解は致しますが、代替案もなく、ただ反対というのであれば、共産党(2名)や生活者ネット(2名)は自民党(6名)と同じと見られても仕方がないと思います。

 他に反対する理由があるのであれば、堂々と議会で発言し、市民の誰もが納得する内容の考えを主張をしていく事が求められると思います。

 今回は、立憲民主党所属議員がいる市民フォーラム(5名)と公明党(5名)、自由クラブ(2名)、市民の風(1名)、都民ファースト(1名)の14名の議員が議案に賛同し、政府に対して意見書を提出することになりました。

 これからも、住民自治をしっかりと行うために必要なことは、国に対しても議会としての意思を示していくよう、取り組んで参ります。