一般質問 セルフネグレクト問題

 11月28日から始まった市議会第4回定例会は、本日最終日を迎え、様々な議案や陳情、委員会提出議案、議員提出議案などを行い、午後2時半ごろにすべての審議事項を終了しました。

 今定例会では、私は一般質問にて「セルフネグレクトの問題を対策」について取り上げました。セルフネグレクトとは、直訳すると「自己放任」という意味ですが、もう少し詳しく説明すると、生活環境や栄養状態が悪化しているのに、それを改善しようという気力を失い、周囲に助けを求めない状態を指します。

 これゆえに、ゴミ屋敷になったり孤独死となったりする事が多くあります。一般的には、一人暮らしの高齢者や、身体的・精神的疾患、引きこもり、うつ病、人生での挫折などによって、セルフネグレクトになることが多いのですが、健常者であっても、仕事や出張で家を空けたり、過労によって家での掃除も出来なくなり、ゴミを指定の時間に出せない方や、ゴミの分別も出来なくなるケースもあります。

 私はこれまでも、市民相談や困り事相談などを通じて、そうしたケースに遭遇することもあり、当事者一人ではどうすることもできない状況を何度か経験しました。今の社会制度の中で、どれだけセーフティネットが施されているか、まだまだ根本的な解決方法に至るまでになっていません。

 今回の一般質問では、市長をはじめ行政としてもこの問題の認識を持っているようですが、今ある制度の中では、なかなか助け出せる仕組みがありません。個別の事情に応じて対応しているケースもありますが、なかなか「ゴミ屋敷」といわれる状態を一人で解決するには、時間とお金もかかります。

 そして何より、私が一番懸念していることは「火災」の危険性です。ゴミ屋敷状態のままですと、例えば冷蔵庫のコンセントにホコリが溜まり、発火する危険性も高まり、アパートや周辺の住宅にも火災の影響を及ぼす事も十分に考えられるからです。

 幸い、今のところ私の周りではそうした火災は発生していませんが、今後寒い冬の季節で電気の需要も増えくるので、火災や孤独死のリスクを抑える必要もあると同時に、セルフネグレクトになった方々への社会的なサポートやセーフティネットを充実させる必要があると強く思っています。

 「誰も見捨てない社会」をつくるには、なかなか表面に出てこない問題にスポットを当てていく事が必要です。解決策については、まだ十分に対応できる政策があるわけではありません。地域の民生委員や自治会、地域福祉コーディネーター、ケースワーカー、障がい者福祉や高齢者福祉の担当職員、また府中市では「わがまちささえあい協議会」が各文化センター圏域で立ち上がっているので、そうした所と連携してセルフネグレクト問題の対応を草の根で対応することが求められています。

 「自己責任」という方がいるかもしれませんが、一人ではどうにもならない時はあります。私もいつ事故や脳障がいで、身体的・精神的障害からセルフネグレクトになるかもしれません。この問題については、是非とも皆さんと一緒に考え、見えない出口にひとすじの光が見えるように取り組んで参ります。