備後府中の広報紙は、武蔵府中と同じく『広報ふちゅう』というタイトルです。備後府中では毎月1日(月1回)の発行で、スマートフォンやタブレット端末から専用のアプリを通じて読むこともできるそうです。

2019年12月1日発行分を見ると、市民が活躍している様子を撮影した写真やレポート、市民の寄稿文、市民参加型のイベント情報などが多く、「市民が主役」と言える構成となっていました。

もちろん、市政情報も掲載されていますが、上記の内容が多い分、じっくり読みたいという気持ちになりました。30ページという分量は決して多すぎるとは思いませんでした。

今回、スタッフが特に注目した記事は、備後府中の児童・生徒が「府中の味」として提案する「我が家の味自慢」メニューを市が募集し、審査を経て入賞したものを「道の駅びんご府中」のレストランで提供するというものです。

コンテストの主催は府中市教育委員会だそうで、最優秀賞にあたる「市長賞」と「優秀賞」を受賞したメニューが、レストランの期間限定メニューとなります。

紙面には、メニューの名前や提案者、提案ポイントや料理の写真が掲載されていました。提案ポイントを見ると、健康を意識したものや、備後府中の特産品を取り入れたものなど、メニューに込めた熱い想いが伝わりました。

この取り組みは、市内の児童・生徒を対象としたのが良いと思います。子どもたちに食の重要性を伝えたり、備後府中の特産品に親しんでもらったりなど、「食育」にもつながっています。

入賞作品がレストランで提供されることで、自信にもつながります。もっと料理を頑張りたいと思ったり、将来は料理人になりたいと思ったり、夢を育むことにもつながるでしょう。

次回は入賞を目指したいという児童・生徒も、きっと居ると思います。

さて、今回の市議会傍聴は昼休憩を挟みました。その際「どういったものを食べたいですか」と尋ねられ、とっさに「備後府中らしいものが食べたいです」と答えました。

「ならば『府中焼き』だね」と言われ、立憲民主党の土井議員と社民党の水田議員と共に、あるお店へと向かいました。実はそのお店も、市民の活躍や挑戦を支援する場だったのです。

「府中焼き(備後府中焼き)」とは、ひき肉入りのそば入りお好み焼きで、外はカリッと、中はふんわりとした仕上がりです。今回訪問したお店は、市が起業のサポートを2年間行い、様々なノウハウを学んだのだそうです。

その店は一見すると何の変哲も無いお好み焼き屋さんなのですが、実は「府中市地域交流センター(キテラスふちゅう)」の中にありました。ある意味で府中市の顔となり、観光の道しるべという役割も担っていたのです。

キテラスふちゅうの中には府中焼きのお店が2ヶ所あり、どちらもこの場で市のサポートを受けていました。新たな応募が無いため、2年を過ぎてもこの場で営業していますが、法令を遵守し市民から愛される店となっているそうです。

館内では特産品を紹介したり、府中焼きの調理体験(7〜42名で実施・要予約)が出来たりするなど、備後府中を訪問した方の「ワクワク」にも応えています。

備後府中では、市内で頑張っている方や活躍したい方を支援する姿勢が強く見られました。人口が4万人を割り、少子高齢化対策や地域経済活性化が重要課題となっていますが、こうした取り組みがプラスに働いて欲しいと思います。

武蔵府中も、町によっては現時点で高齢化率が25%近くになり、今後は人口減少が進んでいくと予想されます。備後府中での市民の活躍や挑戦を支える取り組みは、人口減少対策を考える上でも大いに参考になるでしょう。


ふたつの府中市 〜東京・広島 それぞれの良さを高める旅〜

※ 「パート1」から「パート5」までの感想部分は、事務所スタッフのものが中心となります。